深井戸ポンプの交換で、私たちが「電蝕」にこだわる理由
「前に交換したばかりなのに、また調子が悪くなった」
「配管の接続部分から、いつの間にか水がにじんでいる」
井戸ポンプに関して、こうしたご相談をいただくことがあります。
ポンプ本体に問題がないのに不具合が出る場合、原因が配管の接続部分の腐食にあることは珍しくありません。
そして、その腐食を引き起こす代表的な現象が「電蝕」です。

ここは仕上がりの見た目には出てこない部分です。
電蝕とは、異なる金属が触れ合うことで起きる腐食です

種類の違う金属同士が、水を介して直接触れ合った状態になると、そこにごくわずかな電気の流れが生まれます。
この電気の流れによって、片方の金属だけが集中して溶け出していくという現象が起こります。
これが電蝕と呼ばれるものです。
厄介なのは、金属そのものに問題がなくても、組み合わせ方だけで劣化が始まってしまうという点です。
ステンレス、真鍮、鉄、それぞれ単体では丈夫な素材です。
しかし、常に水が触れている場所で直接つなぎ合わせると、弱いほうが確実に痩せていきます。

材料そのものより、組み合わせで決まります。
だから、金属同士を直接つながない工夫をします
写真は、圧力タンクとバルブ、そして配管をつないでいく部分です。
ここで大切なのが、電気の流れを断ち切る部材を間に挟むという考え方になります。
金属同士が直接触れなければ、電蝕は起こりません。
そのため、接続部には電気を通さない素材の継手を組み込みます。
部品ひとつを足すだけの、手間としては小さな作業です。
しかし、この一手間があるかないかで、数年後の状態はまったく違ってきます。

見えないところをどう組むかは、職人としての姿勢の問題だと思っています。
井戸水は、水道水よりも条件が厳しくなります
井戸水は地層を通ってきた水のため、含まれる成分が土地ごとに大きく異なります。
鉄分やミネラルを多く含む水質の場合、電気が通りやすくなり、電蝕が進みやすい環境になります。
さらに、深井戸ポンプの配管は屋外に設置されることが多く、温度の変化や湿気にも常時さらされます。
水道水を扱う配管よりも、条件は明らかに厳しいと考えたほうが実態に合っています。
だからこそ、井戸ポンプの工事では接続部の考え方が結果を左右します。

現地を見ないと判断できない部分が多い工事です。
こんな状態が見られたら、一度ご確認ください
ご自宅の井戸ポンプ周りを見て、当てはまるものがないか確認してみてください。
- 配管の接続部分に、白や緑の粉のような付着物がある
- ナットや継手のまわりに、赤茶色のにじみが出ている
- 接続部から、ごく少量だが水がしみ出している
- 以前より水の勢いが落ちてきた
- ポンプの起動と停止の間隔が短くなった
これらは、接続部で何かが進行している可能性を示すサインです。
早い段階であれば、部分的な補修で収まることもあります。
放置して漏れが広がると、配管全体のやり直しが必要になる場合があります。
ポンプが止まると、生活のすべてが止まります
井戸ポンプに頼っているお住まいの場合、ポンプが停止すれば飲み水も、風呂も、トイレも使えなくなります。
水道と違って、代わりの供給がありません。
「まだ動いているから」と先延ばしにして、真夏や真冬に完全に止まってしまうケースが実際にあります。
部品の手配に時間がかかれば、その間ずっと不便な状態が続きます。
調子が気になり始めた段階で確認しておくことが、結果的に一番負担の少ない選択です。

気になる箇所の写真をお送りいただくだけのご相談も承っています。



