お世話になります。
水道屋の江頭です。
暑いですね。
暑いと比較的、井戸ポンプの依頼が多いような気がします。
先に費用を申し上げると、
井戸ポンプの交換工事は11万円~13万円(税別)です。
ジェット交換まで含めると、20万円~23万円(税別)程度です。
ポンプでお困りの方はぜひご相談くださいませ!
さて、今回のご依頼は井戸ポンプの故障です。
ポンプの音が最近うるさくて…
水の勢いも弱くなってきたんです。
どれぐらい使用されていますか?
もうかれこれ20年になるみたいです。
メーカーに連絡したら、もう部品がないと言われたので、交換することにしました。
ということでした。
〇音がうるさくなる
〇水の勢いが悪くなる
この2点は典型的な経年劣化の症状でもあります。
メーカーさんからジェットも交換したほうがいいといわれましたが、ジェットって何でしょうか?
そうですね。ジェットというのは、簡単にいうと、吸い込み側のパイプのことです。
ジェットというのは、吸い込みパイプの先端についている部品のことです。
地下深いところから、水を吸い上げようと思うと、パワーが必要なので、ジェットで補助して効率を上げています。
ジェットが悪くなると、ポンプが水を吸い上げなくなります。
ですから、ポンプを交換するのと一緒に「ジェット」も交換しておきましょうとなるわけです。
ポンプだけの交換じゃダメなのか?
以前はポンプが悪いならポンプだけ修理すればいいだろうと思っていました。
わざわざ悪くもないところを交換して、お客様の金銭的負担を余計にかける必要はない。
交換するのは悪いところだけでいい。
そう思っていました。
ところが、ある現場でポンプを新品に交換しても水が全く出ないという事件が起きました。
調べても調べてもどこが悪いかわからない…
消去法で、もうジェットが悪いとしか考えられないという結論に至り、ジェットを交換したところ無事に出るようになったということがあったのです。
お客様は、怒り心頭です。
江頭さんはポンプだけ交換すればいいって言ったよね?
夕方には水は使えるといったのに、明後日まで水が使えないってどういうことよ?
ご意見はもっともです…
100パーセント私のミスです…
とてもご迷惑をおかけしてしまいました…
大変申し訳ございませんでした。
しかも立て続けに2回も同じようなトラブルが起きたのです…
もう今後ジェット交換はしないでおこうかなと考えたほどです。
それ以来、ポンプの交換のお仕事をいただいたお客様に対しては、セットでジェットの交換も提案するようになりました。
もちろん、無理にというわけではありません。
お客様にはご予算があります。
ポンプを新品に交換しても「水が出ない時もたまにある」とご認識いただけるのであれば、それでいいのかなとも思います。
今回のお客様の見解は?
なるほど、ジェットって、そういうことだったんですね。
わかりました。滅多に交換するものじゃないし、それにポンプを交換してもジェットが悪くなったら時間がまたかかるのは嫌ですから。
という見解でした。
というわけで、ポンプ交換とジェットも交換するようになりました。
早速工事です。
これが今から交換する井戸ポンプです。
パイプが2本、エル時で曲がって地下に入っていっています。
ジェットを交換するので、今からこのパイプも交換致します。
パイプを切断して、ポンプから切り離したら、パイプを引き上げていきます。
ちなみにパイプが何メーター入っているかは、引き上げてみないとわかりません。
この井戸は50メーター掘ったって、死んだ親父が言いよった
とおっしゃる方が、たまにいらっしゃいますが、ボーリングを掘ったメーター数とパイプを入れたメーター数は同じではありません。
50メーター掘った井戸でも、水面が高い位置にあれば、パイプも浅くいれても大丈夫だからです。
このあたりは、ボーリングをした井戸屋さんがきちんと計算してパイプをいい感じで入れてくれているので、元通り同じように復元するだけです。
パイプを引き上げます!
さてパイプを引き上げていきます。
このパイプは、すごく重たいです。
なぜなら水が入っているからです。
よいしょよいしょと持ち上げ、途中でパイプを切断します。
そして、また持ち上げ、切断し…
上げては切る、上げては切る、この繰り返しです。
パイプを切断するときは、電動のパイプカッターを使用します。
以前は、握力が無くなりそうになりながら、手で切っていましたが、電動の登場で一気に効率があがりました。
今やこれなしでは考えられません!
本当にしんどかった…泣
わずか2秒で切断します!
パイプを引き上げるのは、リスクがあります
ジェット交換の際、万が一、手を滑らせて、パイプを井戸に落としてしまったらどうなると思いますか?
答えは、井戸の掘り直しです。(100万くらいかかります)
落ちてしまったパイプはどうやっても、引き上げることはできません。
やりなおしは絶対にきかない一回勝負なのです。
先日ご自身でパイプを引き上げようとチャレンジした結果、途中で握力の限界がきて、パイプが落ちてしまったというお客様がいらっしゃいました…
その後井戸をを掘りなおされました…
ですから、ジェット交換は危険と隣り合わせなのです。
万が一、作業の失敗で私がパイプを落としてしまったら、全責任は負います。
ですから、ジェット交換に関しては、ご自身でやりたい気持ちをグッと堪えて我々にお任せください。
さて無事にパイプが引きあがりました。
写真はジェットの写真です。
向かって左側が古く、右側が新品です。
引き上げ最中は写真を撮るのが難しかったです…
今回は12Mはいっていました。
12Mというと、深井戸のポンプでは短いほうです。
ですから、今回は地上で12Mのパイプを全部繋げて、一気に入れることにしました。
写真の撮り方が悪いですが、パイプの先っぽにジェットがあるのがおわかりいただけますでしょうか?
これから、パイプを入れていきます。
引き上げるとき同様、落ちたら終わりですので慎重に入れます。
無事にパイプが入りました。
入れている最中は写真を撮ることができません…
パイプが地下におちないように、金具で固定します。
固定金具を通称「メガネ」と言います。
ポンプを据えたら、ポンプを吸い込みのパイプを接着します。
接着したら、カバーをしっかり巻きます。
これで、一応完成です。
あとは試運転です。
呼び水を入れます。
呼び水は、水面が低いなら多く、水面が高いなら、それなりに少なく済みます。
あとはポンプの種類で呼び水の量が決まります。
経験でだいたいこのくらいの量かなと分かってくるのですが、とにかく満タンになるまで、呼び水を入れます。
水が出るのを確認したら、工事完了です。
ちなみに、次回の工事の時に役立つように、メモを残しておきます。
あまりメモを残しているポンプ屋さんはいませんが、何かのときに役に立つので、私はメモを残すように心がけています。
12M入っていますと事前にわかったほうが、作業の準備が全然違います。
さて今回は深井戸ポンプの交換作業でした。
井戸ポンプの不具合はお任せください。