お世話になります。
水道屋の江頭です。
今回は簡易水洗トイレの交換工事をさせていただきました。
工事の模様を詳しく説明していこうと思います。
簡易水洗トイレとは、一般的な水洗トイレと昔ながらの汲み取り式トイレの中間にあたるトイレです。
便槽があって、定期的に清掃業者がくることを考えれば、旧来の汲み取り式のほうに近いのかもしれません。
水洗トイレは
〇下水が整備されている
〇もしくは浄化槽が設置されてあること
このどちらかでないと水洗トイレを設置することができません。
それ以外は汲み取り式トイレか簡易水洗トイレのどちらかということになります。
下水や浄化槽の普及が進んだ現在では、ほとんどのお宅は一般的な水洗トイレを設置してあり簡易水洗のトイレはそこまで多いというわけではありません。
簡易水洗には、なくてはならない臭突ファン
ついでに臭突ファンも交換してくれんね?
わかりました!
臭突ファンとは、臭いを逃がすための換気扇のようなものです。
簡易水洗のお宅の特徴として、トイレから伸びている煙突があります。
その煙突の先に「臭突ファン」が備えつけられていて、臭いを外に逃がしています。
お宅にお伺いしたときに、この臭突ファンがのっている煙突が見えたら「このお宅は簡易水洗だな」と判断したりします。
郊外のホームセンターでは必ず臭突ファンは在庫してあるので「もしかしたら、自分が知らないだけで実は簡易水洗のお宅はまだまだあるのかもしれない」と思ったりします。
交換工事の内容とは
こちらが今回交換させていただきましたトイレです。
手洗い管があると思います。
もちろん手を洗うためにあるのですが、一般的な水洗トイレとは少し違います。
手を洗った水は水洗トイレはタンクの中に溜まるのに対し、簡易水洗の場合はタンクの中には溜まりません。
簡易水洗トイレの手洗い管で、洗った水はオーバーフローしてタンクの後ろのホースに流れていきます。
これも簡易水洗トイレの特徴です。
こちらですね。
だいたいタンクの向かって左側にあります。
このホースはなんかいな?
と使っていらっしゃっても、知らない方も中にはいます。
このホースはオバーフロー管といって、タンクの中で一定ライン(満水線)を超えた分の水が、このホースから逃げていくというものです。
もしこれがなかったら、タンクの中の余分な水は便器から便槽へ流れてしまい、便槽の溜まりが早くなってしまうからです。
便槽のたまりが早いということは、それだけ頻繁に汲み取りしないといけないということになります。
ですからそうならないために、このホースが設けられています。
便器を外すと、接地面がむき出しになります。
接地面についている白い部品を「フランジ」と呼びます。
このフランジを取ります。
ビスで4点固定されていますので、インパクトドライバーで外します。
ビスを外すと、フランジが取れます。
余談ですが、排水パイプの大きさは簡易水洗トイレの場合、口径100のパイプがついています。
通常は75ですので、簡易水洗トイレに使われるパイプは一回り大きいものが用いられます。
たまに、一般的な水洗トイレの排水パイプが口径100だったりすることがありますが、これは元々簡易水洗トイレだったが、途中で下水あるいは浄化槽が整備され、汲み取りから水洗へリフォームされた場合がほとんどです。
こちらは、元は簡易水洗だったんですねー
えー何でわかるんですか。すごいですね
なんて、得意気に言ってしまう時があります(笑)
申し訳ありません…
さて、無事にフランジも取れて、まっさらな床になりました。
ここからは取ったときと逆手順です。
新しいフランジをつけます。
やはりビスで床に固定しますが、この時に下地がタイルですので、ビスがはいりません。
ですので下穴をあけます。
下穴にビスを直接打つわけにもいきませんので、プラグという部品を用いてビスが利くようにします。
オレンジの部品がプラグです。
左側に青いプラグが見えるのがわかりますでしょうか?
あんな風に下穴にプラグを差し込んでビスが利くようにします。
上の写真はプラグのおかげでネジはちゃんと利いています。
フランジをネジで固定したら、便器を設置します。
便器を設置したら、便器とフランジをボルトできちんと固定ます。
化粧カバーも忘れずにつけます。
タンクを設置しました。
タンクは下にボルトがありますので、ボルトとネジで固定します。
もちろんオーバーフロー管も忘れてはいけません。
今回交換するにあたって、
温水洗浄便座にしたいんよね
とのご要望でしたので、お取付けさせていただきました。
見た目は水洗トイレとほぼ変わらないのが、簡易水洗と呼ばれる所以ですね。
まとめ
簡易水洗トイレの工事を今回させていただきました。
完成の写真を見ますと、便器に水が溜まっています。
これが正常な状態です。
もし、水が溜まっていない簡易水洗トイレがあれば、交換の時期かもしれません。
と申しますのも、水がなぜ溜まっていないといけないかと言うと隙間があるからなんですね。
フラッパーと呼ばれる便器の弁が緩くなって、きちんと閉じることができないため、水をためることができなくなってしまっています。
そうすると臭いがどうしても上がってきてしまいます。
なんか最近臭いが気になるなんて思っている方は、隙間が原因かもしれません。
今回の工事内容は
〇便器の交換
〇新しく温水洗浄便座の取付
〇臭突ファンの交換
これで14万円税込みです。
温水洗浄便座のグレードによって金額は変わってきます。
今回は中間くらいのグレードとお考えくださればと思います。
トイレのご相談いつでもお待ちしております!