お世話になります。
水道屋の江頭です。
暑いですね…
みなさまいかがお過ごしでしょうか?
さて今回は「浴室蛇口」の故障のご依頼です。
蛇口の修理はよくあります。
「ポタポタ水が漏れる」
「ハンドルが固い」
「グラグラする」
蛇口のトラブルはキリがありません。
中でも今回は「浴室の蛇口」ということで、浴室蛇口特有のサーモ(温度調整)の不具合というトラブルでございました。
サーモ?
サーモと上記いたしましたが、浴室蛇口についている温度調整の機能のことです。
例えば、台所の蛇口って温度調整機能ってついてないですよね。
レバーで温度調整します。
このサーモ機能(温度調整機能)が付帯している蛇口が浴室蛇口の特徴です。
向かって左側に「H」と「C」の表記があるのがサーモですね(すみません、言わずもがなですよね…)
当たりまえのことですが多機能になるほど、故障も箇所も増えます。
今回のお客様はお湯がでないという症状でした。
蛇口からお湯がでない?
蛇口からお湯が出ないんですが見てもらえますか?
かしこまりました。お湯がでないのは、どこの蛇口ですか?それとも家全部の蛇口からお湯が出ないですか?
はい。お風呂の蛇口です。他は出ます。
かしこまりました。ではお風呂の蛇口を拝見いたします。
家全体の蛇口からお湯がでない場合は給湯器が悪いです。
ただ今回のように、お風呂だけお湯が出ないということであれば、お風呂に問題があります。
では、なぜお湯がでないのでしょう?
理由は2つ考えられます。
〇配管、もしくはストレーナーのつまり
〇蛇口の温度調整ができていない
この2つです。
お湯が出ないのはどちらの原因かを調べます。
お湯がでない理由
理由を調べるために、蛇口の本体を外します。
そうすると、ハの字の金具が出てきました。
このハの字の金具を「クランク」といいます。
クランクの付け根には止水栓がついています。
付け根にちょうどマイナスドライバーを入れる割れ目があるポッチがありますね。
このポッチをマイナスドライバーで時計回りにクルクルと回してあげれば水とお湯を止水することができます。
ですから、蛇口の本体を外す前に止水栓を締めます。
さて、この状態で、止水栓を緩めるとどうなるかで、原因が判明します。
緩めると、お湯側の左のクランクから勢いよくお湯がでてきました。(配管のつまりの場合、お湯は出てきません)
ということは、本体のサーモ(温度調整機能)の不具合ということが判りました。
サーモとは、お湯と水の割合を決める部品です。
温度を冷たくしたい場合は、水を割合を多めに、逆に熱くしたい場合はお湯の割合を多めに調整してくれるというものです。
当たり前ですが、給湯器の温度設定が40度なのに、蛇口のサーモの温度を最大にても40度以上のお湯は出てくることはありません。
蛇口がお湯を沸かすということではないからです。
今回はサーモの不具合で水の割合が100%のまま調整がつかなくなってしまったことが、お湯がでなくなってしまった原因であったと考えられます。
原因がわかりました。蛇口の温度調整の不具合です。
そうだったんですね。直りますか?
はい、部品を取り寄せればなおります。
よかった。お願いします。いくらくらいかかりそうですか?
ざっくりですが、部品代が5000円程度、それに工賃が6000円で1万円ちょっとかな…
でしたら、右側のクリックもちょっと甘いんですが、それも見ていただけないですか?
あーなるほど…たしかに甘いですね…これピタッと止まらないですよね?
そうなんですよ(笑)止まるポイントがあるので、それを毎回手探りです。
でしたら、本体交換のほうがよろしいのでは?
え?全部ですか?高いんじゃないんですか?
物によりますが、同等のものでしたら工賃込みで25000円くらいです。
倍以上ですね…
いえ、ピタッと止まるほうの部品も交換するなら、差額はそこまで開かないと思います。
たしかに…
蛇口交換します
家族会議の結果、蛇口交換することに。
費用対効果を考えると、本体交換したほうが経済的でした。
早速交換していきます。
本体の後ろにあるナットを緩めます。
緩めるときは半時計回りに回します。
ナットを緩め、本体を外したら先ほどのクランクが出てきます。
ではクランクを外していきましょう。
レンチを使って、半時計周りに回せば、簡単に外すことができます。
結構固いときがありますので、力の限り回してください。
クランクがとれたなら、給水管が見えます。
メスネジになっていますので、逆手順で新しい蛇口を取り付けます。
だいたい、給水管は汚れていますので、金ブラシでクリーニングします。
クリーニングしたら、新品の蛇口を取り付けていきましょう!
これが新しいクランクです。
クランクにシールテープを巻いていきます。
テープを巻く前に薬品を塗ります。
ヘルメチックという薬品です。
サビや腐食を防止する役割をします。
あと水漏れも抑制できます。
ヘルメチックは、別に塗らない水道屋もたくさんいると思います。
シールテープをしっかり巻けば大丈夫だからです。
私がなぜヘルメチックわざわざ塗っているのかというと、腐食防止などの本来の目的もありますが、たまにシールテープが空回りするときがあるからです。
クランクをネジ混むときに、金属の部分だけ回ってシールテープが回っていない時がたまにあるため、それを防止する意味もあります。
いずれにせよ、今後なるべく水が漏れないようにするために薬品をぬっています。
「江頭さん、このまえ着けてもらった蛇口から水が漏れよるよ」
って言われたくないですもんね…
お客様も言いたくないと思います。
さて、シールテープを巻いて、ヘルメチックを塗ってクランクを取り付けます。
クランクは3時の針をイメージして取り付けます。
3時にしておくことによって、本体を着けるときの調整をしやすくなります。
これが新しい蛇口です。
きれいですね。
お風呂から上がった後に、濡れた水をふき取ってあげるときれいなまま維持することができますよ。
今回は浴室蛇口の交換でした。
修理して12000円。
交換して25000円。
どちらを選ぶかは、一緒に考えましょう。
それでは!